オブジェクトとは?
「オブジェクト」という用語はプログラミング言語で使われるものですが、それ以外の文脈でも様々な意味があります。
一般的なパソコンの操作画面などで用いられる「オブジェクト」は、アイコンや図形など、ユーザーが操作することができる画面上の対象物を指します。
例えば、メールアプリの画面に表示される「新規メール作成」ボタンや、イラストレーションソフトのキャンバス上に描かれた線や図形はそれぞれオブジェクトとして扱われます。
このような場合の「オブジェクト」はプログラミング言語の意味合いとは異なりますが、共通している点として、それぞれが特定の性質や機能を持ち、それをユーザーが操作できるという点が挙げられます。
プログラミングにおけるオブジェクトとは?
プログラミングにおけるオブジェクトとは、データとそれに関連する操作をまとめたものを指します。オブジェクト指向プログラミングの考え方に基づいており、オブジェクトはクラスと呼ばれる設計図に基づいて作られます。
クラスはオブジェクトを生成するためのテンプレートであり、オブジェクトが持つべきデータや操作を定義します。クラスによって定義されたオブジェクトは、そのクラスのインスタンスと呼ばれます。
例えば、車というクラスがあるとします。
この車クラスには、車が持つべき情報(車種、色、速度など)や操作(加速、減速、ブレーキなど)が定義されます。車クラスを元に生成されたオブジェクトは、それぞれ異なる車種や色、速度を持つ個々の車として扱うことができます。
オブジェクト指向プログラミングでは、オブジェクトが独立した機能を持ち、それらが組み合わさることで複雑なプログラムを作成することができます。また、オブジェクト指向プログラミングにおいては、プログラムの保守性や再利用性を高めることができます。
オブジェクト指向って何?
オブジェクト指向(Object-Oriented)とはプログラミングの考え方の一つで、データとそれに関連する操作をまとめて「オブジェクト」と呼ばれる単位で扱うプログラミング方式です。
オブジェクト指向プログラミングでは、オブジェクトが持つべきデータや操作を定義した「クラス」と呼ばれる設計図を作成し、それを元にオブジェクトを生成します。オブジェクトは、他のオブジェクトと相互作用を行いシステム全体として機能します。
オブジェクト指向プログラミングによって、プログラムの保守性や再利用性を高めることができます。また、オブジェクト指向プログラミングの考え方は現実世界をモデル化してプログラムを作成するのに適しているため、業務システムやゲームなどの開発に広く利用されています。
一般的に、オブジェクト指向プログラミングには次のような特徴があります。
- 抽象化:問題を単純化し、プログラムの実装を容易にする。
- カプセル化:オブジェクトが持つデータや操作を隠蔽し、外部からのアクセスを制御する。
- 継承:既存のクラスを基に新しいクラスを作成することで、効率的なコード再利用が可能になる。
- 多態性:同じメソッド名で異なるクラスが実装でき、柔軟なプログラム設計が可能になる。
オブジェクトの対義語
オブジェクトの対義語は「クラス」です。
オブジェクトは、クラスを元に生成される実体でありそれぞれ独自のデータを持ちます。
一方、クラスはオブジェクトを生成するための設計図のようなものであり、共通のデータや振る舞いを定義します。
つまり、クラスはオブジェクトの抽象化であり、オブジェクトはクラスの具体化という関係になっています。
オブジェクトとサブジェクトの違い
「オブジェクト」と「サブジェクト」は情報処理における用語であり、それぞれ異なる役割や立場を持っています。
「オブジェクト」はデータや機能を持つ情報の対象物を指します。プログラミングではオブジェクト指向プログラミングにおいて、オブジェクトとはクラスを元に生成された具体的なインスタンスのことを指します。
一方、「サブジェクト」は情報を処理する主体や行為者を指します。例えばユーザーがパソコンを操作する場合、ユーザーがサブジェクトであり、パソコンやソフトウェアがオブジェクトとなります。
また、セキュリティの分野では不正行為を行う攻撃者がサブジェクト、攻撃されるシステムがオブジェクトとも言われます。
要約すると、オブジェクトとは情報の対象物であり、サブジェクトは情報の処理主体や行為者を指すと理解すればOKです。